プロジェクト活動の概要
現在三原市近郊地域において、BDF(バイオ・ディーゼル・フューエル;以下BDF)の活用領域はまだまだ少ない。
当社では、数年前よりBDFを使用した給食配送やスクールバス・福祉車両や公用車・デマンドタクシー・発電機などへの普及を三原市に対し提案してきたが、なかなか進まずにいた。
しかし2009年度より本プロジェクト事業者(排出削減実施事業者)でもある有限会社道原運送が久井町1台・大和町2台の給食配送を委託され、株式会社無垢が製造したBDFを使用して運行を実施することになった。
今後、この小さな流れを「J-VER制度」活用によって、更に大きなムーブメントへ拡げていきたい、と考えている。
BDFは、「カーボンニュートラル燃料による化石燃料代替」として近年注目を集めている。
学校給食の配送車両にこのBDFが使用されることにより、従来以上に目に見える形で小中学校の生徒にアピールでき、「環境教育」にも役立てることが出来る。
2011年1月には三原市和気小学校と世羅町の伊尾小学校での環境教育を行い高評を得た。
又、廃食油を垂れ流せば、それによって浄化槽の悪化や河川の水質汚染が起き、引いては地球環境に悪影響を及ぼすことになる、という流れを通じて、環境問題は実は身近なところから始まっているという「意識の啓発」にも繋がるものと期待される。
現在多くの市町では、廃食油は「燃えるゴミ」として処理されている。
これを行政サイドが「資源ゴミ」に変えて収集することで廃棄物の削減につなげると同時に、グリーン購入の対象、更に二酸化炭素排出量をJ-VER化でオフセット・クレジット化する事で得られる資金を反映させれば、二重三重のメリットが出る。
このような行政運営に結びつけることを、本プロジェクトの目的とする。
現状では近隣スーパー・コンビニエンスストアー・商店等で廃食油を㈱無垢が回収している。
回収車両もBDFを使用した車両で行っている。
BDFは三原市久井町にある有限会社道原運送内にある施設で㈱無垢が製造し、三原市久井町の久井共同調理場(給食センター)にある車両3台及び、廃食油回収車両2台に給油し運行している。
給食配送は(有)道原運送が行っている。
廃食油の回収について
㈱無垢が月に4回回収ルートを設定しスーパー・コンビニ・商店等の廃食油回収を行っている。
廃食油回収用車両もB-100BDFを使用している。
プロセス
スーパーやコンビニエンスストアーなどからBDF車両で廃食油を㈱無垢が回収し道原運送内にある製造所にて精製し、(株)無垢から(有)道原運送に販売、(有)道原運送が学校給食用の配送車両にB100で使用する。
(従来は、軽油を用いた車両による給食配送がされていた)
給食配送車両
精製方法
J-VER制度とは
信頼性の高い「オフセット・クレジット(J-VER)」とは
信頼性の高い「オフセット・クレジット(J-VER)」とは、環境省による「カーボン・オフセットに用いられるVER(Verified Emission Reduction)の認証基準に関する検討会」の議論におけるオフセット・クレジット(J-VER)制度に基づいて発行される国内における自主的な温室効果ガス排出削減・吸収プロジェクトから生じた排出削減・吸収量を指します。
「オフセット・クレジット(J-VER)」はカーボン・オフセット等に活用が可能で、市場における流通が可能となり、金銭的な価値を持ちます。
そのため、「オフセット・クレジット(J-VER)」プロジェクトの実施者はこのクレジットを売却することにより、収益を上げることが可能です。
そのため、これまで費用的な問題で温室効果ガスの削減を実施できなかった事業者や、管理が必要な森林を多く所有する地方自治体等にとっては、温室効果ガス削減プロジェクトの費用の全部や一部を、「オフセット・クレジット(J-VER)」の売却資金によって賄うことが可能となります。
出典:気候変動対策認証センターHPより
コメントを残す